こころの病気
掲載日:2018.03.26
東京都
うつ病
40代女性 再審査請求で取消
障害種別 | 精神の障害 |
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病名 | うつ病 |
認定結果 | 障害厚生年金3級 |
都道府県 | 東京都 |
その他 | 本人不支給,過眠症 |
高校生の頃に過眠症状を自覚し、「居眠り」として教師からたびたび注意を受けるが改善は難しかった。1度、大学病院で検査をしたが「異常なし」とされている。学校卒業後も友人と会話中に深く眠り込む、仕事中に立ったまま眠り込むなどの症状があったが、やはり医療機関では異常なしとされていた。
新聞で偶然「ナルコレプシー」の記事を見て、医師を探して診察を受けた。睡眠を専門とする医療機関を紹介され、脳波検査、反復睡眠潜時検査などを行い、過眠症と診断された。5年ほど通院したが、過眠症状は完全には消失せず、仕事で悩むことが多くなり、平成22年にうつ病を発症した。
平成26年、自身で初診日を平成22年として障害厚生年金を請求(傷病名:うつ病、過眠症)、認定の結果、過眠症の初診日がうつ病の初診日であるとして、20歳前傷病と認定、障害基礎年金での再請求を求められる。その後障害基礎年金で再請求したところ、初診日不明のため却下処分を受けた。
当方にご相談、依頼となり、平成22年を初診日としたうつ病での再請求(障害厚生年金)を行う。裁定請求では不支給となり、審査請求を行うが棄却。再審査請求で主張が認められ、社会保険審査会により処分取消。
平成22年を初診日とした障害厚生年金3級が認められた。
坂田の意見・感想
本人請求の段階での、障害厚生年金を請求して基礎での請求を求められ、障害基礎年金で再請求したら却下、というのは、あまりに酷な処分と感じました。
厚生年金で請求したが初診日が厚生年金被保険者期間にないと認定され、出し直しを求められたときの対処は2つあります。障害基礎年金で出し直すか、障害厚生年金の不支給処分を受け、その処分に対する不服を申し立てるか、です。いずれの場合においても不利益がありますし、今回のように最終的に障害基礎年金も却下されるケースもあります。障害基礎年金での出し直しを求められても、必ず障害基礎年金で認定されるとは限らないという事です。初診日の認定がいかに重要かということがわかります。
お話を伺った段階で、障害基礎年金で請求しても初診日の資料が揃わず困難が予想されること、より有利な障害厚生年金での請求を重視し、過眠症とうつ病が別傷病であることを主張して請求する方針としました。
ご面談時より、再審査請求まで見据えてほしい旨をお伝えしました。一度、過眠症とうつ病が同一傷病(または相当因果関係がある)と保険者は認定していますから、ちょっと書類を揃えたくらいで、裁定請求段階から厚生年金初診を認める可能性は低いと考えていました。
過眠症とうつ病について別個の傷病とみている主治医の意見書、うつ病に過眠が見られる症例が全体の割合から非常に低いことなどを医学文献から立証し、当方が代理した平成27年10月の請求から2年2カ月後の平成29年12月、社会保険審査会裁決により不支給処分の取消、障害厚生年金3級が認められることとなりました。
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