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障害年金における診断書の役割とはなんでしょうか?

障害年金では、原則として医師又は歯科医師の診断書を提出することになります。
何気なく揃えてしまう診断書ですが、障害年金上、どういった意味があるのでしょうか。

障害年金の認定は全て書類の審査で行われます

診断書は、障害年金制度において障害状態であることを示す根拠の書類になります。
障害年金は介護保険制度とは異なり、基本的に全て文書での審査となります。「障害年金の認定医が自宅に見に来る」とか「職場へ確認する」ということはありません。もちろん民生委員に調査に入る、ということもありません。時に、そうしてくれればどんなに良いかと思うことはありますが・・・。(ただし、診断書の記載内容が疑わしいケースで、実際に見に来たことがある、という話は聞いたことがあります。)

障害年金は「障害状態」であることを保険者に理解してもらう手続きです。本人を見に来ないのですから、提出する書類で「障害状態」であることがわからなければなりません。「障害状態」であることを第三者が客観的に医学的見地から示す資料が障害年金の診断書、ということになります。

そう考えると診断書って怖いですよね。とても不安ですよね。その一枚にこれからの人生が詰まっている、と言っても、決して大げさではありません。

診断書は「医師または歯科医師によるもの」とされていますから、結局は「障害の状態」を客観的に証明する事ができる人はこれらの方々以外にいないことになります。つまり、医師の協力なしに障害年金請求はありえません

提出書類が請求者本人そのものです

もしその診断書が間違っていた場合はどうなるでしょうか。ささいな誤りやちょっとした誤認程度であれば良いのですが、初診日の認定や障害等級の認定に大きく関わるような誤りでは非常に困ったことになります。障害年金を支給するかどうかの審査は、間違いなくその診断書を使って行われます。

よく耳にするお話ですが「医師に正しく状態を伝えられていない」ということがあります。保険者にそれを加味して認定をしてもらうのは無理なので、診断書を作成する医師には現状を正しく伝える必要があります。それは障害年金だけではなく、治療という観点からも必要なことです。もしご自身でどうしても難しい場合は、書面にするとか家族に付き添ってもらうなど、工夫をする必要があります。

診断書作成時の社会保険労務士の役割

障害年金を扱う社会保険労務士は、通常、障害認定基準や初診日認定の取り扱いや認定事例などに精通しています。それはそうだと思います。ただ、正しく本人を評価した「障害の程度」が3級相当と思われるものを2級にしたり、等級を重くすることができるわけではありません。

一方で、診断書に何を書いて欲しいのか、たとえばこの項目がこう記載されていれば要件を満たすのに記載されていない、などは明確にわかります。その項目の表現が曖昧であったり、その項目が持つ意味を十分理解すればそのように記載できる、ということもあるでしょう。

社会保険労務士ができることは、どうしたら医師に現在の請求者の日常生活の困難がわかってもらえるかを一緒に考えること、医師から障害年金制度や認定、その他の観点について説明を求められたときに回答すること、障害年金の要件を満たすかどうかできるだけ明確にすること、そしてご本人の代わりに請求し、見込んだ結果が得られなかった場合に法的手続きをもって対抗することです。

これはどれも本質的に保険者にはできないことで、それが社会保険労務士に依頼する意味であると考えています。

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