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【2024年1月版】障害年金を遡及請求する時の注意点。

障害年金における遡及請求とは?

遡及請求(障害認定日請求)とは何か?について詳しく知りたい方は、別ページで解説していますので、そちらをご覧ください。こちらでは最近の遡及請求事情について解説しています。

遡及請求(障害認定日請求)というのは、私たちが常日頃から行っているもので特段めずらしい請求方法ではありません。このサイトの中でも事例を見ていただくと非常に多くあることがおわかりになると思います。遡及請求が多いのには理由があって、障害年金は障害認定日を過ぎると請求可能となりますが、そこでぴったり行える人が元々少ないからです。

よくいただくご質問としては「過去の分と将来の分で2回請求(手続き)するのか」ということです。あえてそうすることもできるのですが、普通は1回の手続きで過去の分と将来の分を請求します。

遡及請求については、ネット上で様々な情報があるかと思います。実際に請求された方の体験談、噂で聞いた話、医師の意見などです。当サイトの情報もその一つになりますが、私が社会保険労務士として代理請求をしていく中で日頃から感じていること、また障害年金は変化をしていくものですから、その最新の情勢を踏まえて書いていきたいと思います。

遡及請求は難しくなったのか?ほとんど通らないのか。

障害年金を請求するからには受給したい、と思うのが人の常です。しばしば「さかのぼり」が難しくなったと耳にすることがありますが、遡及請求のみが難しくなった、という話には根拠がないと考えています。

遡及請求は本来「さかのぼって年金をください」という請求ではなく、障害認定日に障害状態であったことの認定を求める請求です。確かに障害年金制度は非常に不安定な制度で(個人的な経験則からくる意見です)、障害認定基準の変更がなくても、そのときの情勢によって認定されるかされないかが変わってしまうことがあります。ただ、現在は障害認定日も現在も「まったく同じ状態」であったのに、障害認定日だけを認めないという露骨なやり方は基本的にないと思っています。その意味で私は保険者を信頼します。

ただし、ここでいう「障害認定日の状態」には、診断書上の障害状態(医学的な障害状態)だけではなく、ADL(日常生活能力)についても加味するようになっています。特に精神の障害においては、ADLに実態としての「就労」を含めるのか、それを等級認定にどの程度加味するのかは、障害認定基準にはっきりと示されない「不安定さ」を生んでいる部分で、変動があると考えなくてはなりません。

しかし、これは遡及請求だけの話ではなく、現時点の障害状態の評価でも同じことがいえるということです。

医師が遡及はどうかなあ?と言った

医師に相談したところ、「今後の分は出ると思うけど、さかのぼりはどうかなあ」と言われた、というご相談も多くいただきます。これは遡及が厳しくなったというよりも、そもそも障害年金で認定すべき「障害状態」が、障害認定日時点と現時点で異なる場合がほとんどです。

診断書上で見て取れるほど差がある(つまり医師が障害認定日時点は軽かったと評価している)場合もありますし、精神障害の場合は実態についても評価に含めていますので、診断書のみを比べると同じ評価であっても障害認定日時点では就労できていた、ということもあります。

これらが全く同じ状況(たとえば障害認定日から現在までずっと働けていなかった、かつ診断書が全く同じ状態)で、遡及のみが認められなかったとしたら、私ならば迷うことなく審査請求することになります。認められないだけの理由がないからです。ただ、こうした露骨な遡及請求の狙い撃ちのような処分は、現在はそう多くないと考えています。(ないとは言いませんが)

こうした感覚というのは、当然ですが統計化できるものではありません。また、1件、2件だけの請求をもって全体を語ることもできないと考えなくてはなりません。しいて言うならば、審査請求や再審査請求件数の統計でみるくらいしかできないわけですが、審査請求再審査請求は、ここ数年、減少傾向にあります。

また、精神障害について語られることが特に多いですが、精神の障害認定にあたっては等級判定のガイドラインがあります。しかしこれは障害認定基準を厳格に運用するのが目的であって、特段、遡及請求を狙い撃ちにしたものではありません。また、障害認定基準自体はここ数年で大きく変わってはいません。

確かに、一時期、障害者雇用で就労している方(つまり「就労実態」のある方)の不支給や支給停止が非常に増えた時期(平成24年から平成28年頃までと記憶しています)がありました。この時期にガイドラインの運用開始、平成29年の中央一括裁定(地方の事務センターで行っていた障害基礎年金の認定事務を東京で行うこととなった)により、改善されたように感じています。就労を理由とした不支給というのは知的障害についてはかなり減ったと感じています。

私たちは、この頃不支給処分を受けている方については、書類さえそろうようであれば、再度の障害認定日請求を行う場合があります。実際に認められるケースもあって、ぜひ検討していただきたいところです。

事後重症請求との兼ね合い

ただし新たな問題も生じています。
たとえば遡及請求をしていて、障害認定日時点では軽かった障害(たとえば3級相当)が、現在はより重く(たとえば2級相当)になっている場合です。

こうした際、障害認定日からは3級の受給権を認め、請求日からは2級に増額改定されるという認定を想定します。現在ももちろんこうした認定はあります。もし請求日から2級に改定されなかった場合、以前は審査請求の請求日後の等級を争うことができました。

しかしこの審査請求について現在は認められていません。今の取扱いでは、上記のケースで「遡及3級事後3級」となって審査請求・再審査請求をしても却下されてしまうのです。

この理由は社会保険審査会が決定した裁決にあります。社会保険審査会は遡及請求分の請求を主位的請求、事後重症分の請求を予備的請求と呼び、ある時から、主位的請求が成就した場合には事後重症請求については処分がなかったものとみなす、という立場を取るようになりました。

審査請求、再審査請求は処分がないものについては行うことができません。そのため、この場合は審査請求で争うことができない、という考え方です。これも以前は問題なく審査請求可能であったので、「不安定」な部分といえると思います。こうした変動や新たな解釈が障害年金にはあり得るのです。

当然、私たちも「はい、そうですか」というわけにはいきませんから、こうならないための対策を考えます。そのため、現在では請求時に増額改定を見越して、額改定請求を行っておく必要があります。これを行っておけば額改定請求に対して処分が行われますから、もし等級が改定されなかった場合に審査請求で争うことができることになります。

まとめ:遡及請求のみが厳しくなったわけではない

結論として、制度の変化というのはあります。ただしそれは遡及に限った話ではなく、制度を通じて、障害年金制度がどうあるべきなのか、障害状態とはどのように認定すべきなのか、という変化です。遡及請求のみを単純に認めなくなった、というようなものではないと考えます。そのような底の浅いものであって欲しくありません。

制度の変化は、障害認定基準の変更のように明記される部分のみであればわかりやすいのですが、眼に見えない、いわば「運用」という形でも変化していきます。これが最も難しいところです。この額改定請求の話も、制度の説明や案内に明記されているような内容ではありません。

はっきり言うと、こうした情報収集やその対応の検討というのは一般個人では無理があると思います。額改定のみでなく、請求前に遡及請求の電話相談をお受けして、ご依頼を勧めたのに自分で請求して誤ったやり方をしてしまい、遡及分全額を受給できずに途中で支給停止されてしまった方もいました。こうした処分があるのは事実で、泣き寝入りとなる請求者が多くいます。障害年金請求を単なる書類集めと思い自身で行って、思わぬ不利益を受けた形です。

今まで通用してきたものが、ある日突然通用しなくなる。これが障害年金の本当の怖い部分です。
遡及となると受給金額が大きくなるので、一度ご相談いただくのも良いと思います。

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